死に化粧
死に憧れて
私が、死に憧れ始めたのはおよそ二年前。
身辺を整理し睡眠薬を大量に飲み 普段は決して飲まない酒を無理やり服用した。
理由は、夫のDV。
数年仕えてきた。
暴言を吐かれ、蹴られ・・・でも何故か我慢してきた。
子供が居たからだろう。

私は、世間では良き妻・良き母・そして会社員をこなしていた。
世間では社交的・自宅では居場所は無いが、家事は完全にこなさなければならない。
私の精神バランスは段々と壊れていった。

通院を始めた私を夫は、入院させる段取りを始めた。
子供から離される、鉄格子の中に入れられる。
その恐怖が私を死に駆り立てた。

夫から離れたい…でも、病院へ行く時さえ夫は付いてくる。
唯一 彼から逃げられる場…職場。
それも安住の場ではない。

自由になる為に…私は死に憧れる。
楽になりたい。でも子供の行く末は不安だ。

もう少し、子供が成長したら 私は楽になれるだろうか?
その時…美しく死にたいものだ。
清く…そして美しく。
私は、まず第一歩を踏み出した。
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