日暮れの緋色Ⅱ

 少年は大きく後ろにジャンプし

 刀の届かない範囲まで後ろに飛びのいた。


 「何しやがる!!」


 少年は、剣を持った魁に怒鳴りかかる。


 「自己紹介もできないガキに制裁を加えたまでだ」


 魁は剣を構えなおした。

 部屋の中に肌を切るような緊迫感が漂う。

 それを打ち破ったのは、ミコトだった。


 「私は魁さんのものですわよ♪」


 そう言って、ミコトは魁の唇に軽いキスをする。

 不意打ちを食らった魁は、少女のように顔を真っ赤にさせた。
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