日暮れの緋色Ⅱ

 その様子に少年は面食らっていたが

 少し落ち着いたのか、目の前のソファーに両膝を立てて座った。


 「さてと、俺の名前だっけ?俺は、ワタル。亘の裏の顔ってやつかな」

 「単刀直入に聞きますけど、いじめた相手を襲ったのはあなたですか?」

 「ああ」


 ワタルはなんでもないことかのように軽く答えた。


 「何故ですの?」

 「亘がそう望むからだよ」

 「亘さんが?」

 「ああ。もういいだろう?お前が構ってくれないなら、別な女見つけにいってくるぜ」


 そう言うと、ワタルは外に出て行ってしまった。
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