日暮れの緋色Ⅱ

 「ぼ、僕、学校でいじめられてて、ケンカとかしたことがないんですけど、ある朝、起きたら手が血だらけになってて・・・そして、学校に行ったら僕をいじめていた人たちが暴漢に襲われて入院したって!」


 魁は支離滅裂な会話に頭が痛くなりそうだった。

 しかし、ミコトをみるとどうやらこの話を理解したらしく

 亘にいくつか質問をしていた。


 「その間の記憶はないんですね?」

 「はい」

 「返り血は浴びてらしたの?」

 「は、はい」

 「そうですか・・・」

 「・・・」


 ミコトはそのままカップの中の冷えた紅茶をじっと見つめていた。
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