「「キミが…」」 (優哉&久実)
佐野優哉




こんにちは佐野優哉です。

ただいま教室でボーッとしています。
って言ってもちゃんと探してるんだけどね。
アイツを…。



「よーっス優哉!!」

「はよ…」


この朝からやけにテンションの高いコイツは同じ部活でペアの木場。


「おっ久実ちゃん今来たんだ!!」


その声に少し反応する。

窓側の俺の席は、外が見えやすいからアイツもよく見える。


「おーい久実ちゃん!!」


木場がアイツを呼ぶ。
するとアイツはすぐに気付いて手を振り返した。

いつも満面の笑顔をするアイツ。

「(かわぃ…)」



「そー言えば優哉昨日久実ちゃんと帰ってた?」

「…んな訳ねぇじゃん」

「……。」

でも納得していない木場。

「ウザイ」


っとだけ言って俺は視線を変えた。

隣では木場がギャーギャー騒いでうるさい。





「だからあたしの名前はお前じゃないっ!!」


「ぇ…だって名前で呼ぶのやだ…」


「何それっ!!」


教室では最近付き合い始めた2人が喧嘩をしていた。






…………アイツもそーなのかな…?





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