「「キミが…」」 (優哉&久実)
小泉久実




「おぃ。」

授業は軽く流して今は大好きな部活の時間。

あたしの横から声がしたから向くと部長がいた。


「何?」

「……それ取って」

「あっうんっ」


って言って渡すと部長は少し固まってそれからすぐに練習に戻った。


「………?」










「練習終わり!!30分までには完全に片付けろよ!!」

練習が終わって片付けの時間。
あたしはモップをだしに体育館の中にある倉庫に入った。



「なぁ優哉、今日一緒に帰ろ」

「いいけど?」


―――…え?



今日は一緒に帰らないの?

いつも一緒に帰ってるじゃん…。

「久実ちゃんはいいの?」

「何でアイツの名前だすんだよ。別に一緒に帰る約束なんてしてねぇし」

「そっか」


って声が聞こえた。
それからあたしは不機嫌モード。
何でよ!!
付き合ってるのに!!
いつも約束しないでも一緒に帰ってたじゃん!!
そんなに年下の彼女が嫌か!!


「……。」





あんなに不機嫌だったのに、ちゃんと部長の後ろを走っている自転車。
ってもちゃんと距離は保っていて話は聞こえない。




あ、いつも別れる場所だ……。


いつも別れる場所が目の前にある。
いつもなら「バイバイ!!」って言い合う場所。
今日は言えないや。


胸が痛いよ部長…。




「………!!」


最後尾にいた部長。
みんなにバレないように腰の位置でバイバイをしていた。


それを見たあたしは満面の笑顔。
ニヤけが止まらないよ。



部長、好きです。





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