木漏れ日が差し込む場所
「はい?」

作業の手を一旦止めて、私に向けられた視線。

「…と、隣り空いてますか?」

「どうぞ」

「ありがとうございます」

腰を下ろし、チラリと横の様子を伺う。

数冊積み上げられた本。その中の一冊は、数Ⅲの教科書のようだ。

高校三年生ということは、二つ年上。

そんな小さな発見が堪らなくうれしい。
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