木漏れ日が差し込む場所
二時間が経過した頃。

席に着いてからしばらくの間ソワソワしていた私も、程なくして自分の作業に没頭していた。

閉館を知らせる放送が、私の意識を引き戻させる。

素早く帰り支度を済ませ、席を立つ。

ーカタンー

真横で同じように椅子を引く音が聞こえた。

「さようなら」

一足先に準備の整った私は、別れの挨拶を告げた。
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