木漏れ日が差し込む場所

こんなに一日を長く感じたのは初めてかもしれない。

時計を見ては、時間の進み具合に落ち込んで。五分後には同じ行動を繰り返す。

できるだけ考えないようにしているのに、気づけばその事ばかりが頭を占領していた。

「…ゆり!小百合ってば!」

「うん?」

「もう授業終わったよ」

「嘘!?いつ?」

「あんたがボーっとしてる間によ」

「私、行かなきゃ!」

「落ち着いたら、ゆっくり話聞かせなさいよ」

全てを見透かしているかのような発言。彼女とは長い付き合いだ。きっと薄々気づいているのだろう。

「うん。ありがとう千花」

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