木漏れ日が差し込む場所
お気に入りの場所。

彼はまだ来ていないようだ。

いつものように本を開いてみたものの、ページを捲ることはない。

今か今かと彼の到着を待ちわびる。

ーガタンー

「こんにちは」

荷物を置く音と共に現れたお目当ての人。

「こんにちは」

挨拶を済ませ、普通に勉強を始めた彼。

それだけ?

何かあるんじゃないか。
そう期待していた私にとって、それはあまりにもショックなことだった。
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