木漏れ日が差し込む場所
西の空に日が沈む。

いつもと同じ道のりをゆっくりと歩く。

学校から約十五分。

放課後の時間を図書館で過ごす。これが私の慣例になったのはいつからだろう。

一階の半分は児童書、二階は主に学習書。そう広くはないスペースに所狭しと並ぶ本達。

「隣り空いてますか?」

いつもと同じ、お気に入りの場所。本を読んでいた私に聞き慣れない声が届いた。

「…はい」

ありふれた日常。その中に訪れたほんの小さな変化。
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