木漏れ日が差し込む場所
閉館の十分前。昨日よりも僅かに早く、彼は席を立った。

「さようなら」

二度あることは三度ある。三度目があれば四度目も…。

「さようなら」

そう覚悟していたのでスムーズに返事を返すことが出来た。

そして今回、自分の中で決めていたもう一つ目標。


彼の目を見て答える。


この小さなミッションを達成した充実感から、思わず顔がにやけてしまう。

周りの人に怪しまれないよう、下を向き口元を本で隠す。
< 6 / 26 >

この作品をシェア

pagetop