流星群【短編集】

喜代子の眼差しに、老いた飴細工師は優しく微笑む。

『お嬢ちゃん、何がいい?』


その一言に喜代子の心臓は大きく脈打つ。


お囃子が止んだ、
いや
それはもう耳に届かないだけ。
鮮やかな屋台の光は、ただ真っ白く。


喜代子の頭の中に浮かび上がっては消える動物達。

天高く駆け上がる馬、

羽ばたく鳥。

喉を鳴らす猫。


老いた飴細工師は、ただじっと喜代子の一言を待っている。



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