流星群【短編集】

慣れないヘルメットは、多江の頭には明らかにサイズが大きく、常に片手で抑えていなければならなかった。

『こっちこっち』

慣れた足取りで、亮佑は多江を導く。


建物の外周に張り巡らされた足場とシートの一角に、内部への出入口はあった。

亮佑はシートを持ち上げ、多江を内部へと通す。

『足元、悪いから気を付けて』

気遣う亮佑の言葉に、多江は薄暗い室内へと恐る恐る足を踏み出した。





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