流星群【短編集】
それから30分ばかり、カップ麺を食べる孝一の脇で、千秋と由樹は雑談しながらコーヒーを飲んだ。
二人とも、製図台の脇では絶対飲食しない。
秀人はネタ探しと称してインターネットをしながら、所々話に加わった。
製図の進捗はもちろん、指導教官の話やら、卒業後の進路、それから恋人の話。
それぞれ進学や設計事務所に就職が決まっていて、何が何でも卒業しないといけないというのが共通認識だった。
『設計終わったら、何したい?』
孝一が問い掛ける。
『あたしとにかく寝たい』
千秋が即答え、由樹が笑った。
『なぁに?由樹は彼氏とデートでしょ?』
千秋がふざけて言い返す。
『秀人は?』
由樹が尋ねる。
秀人はさっきからインターネットの画面に見入っている。
『おい、なにエッチなサイトみてんだよ?』
孝一がふざけながら言う。
唐突に、秀人が言った。
『ってかさ、みんなで流星群みにいかない?』
『はぁ!?』
『今日ピークだって』
秀人は目を輝かせて言った。