流星群【短編集】
『早く早く』
真っ暗な階段を、四人の男女が上っていく。
秀人の提案で、みんなで屋上に上がって流星群をみることにしたのだ。
屋上の塔屋まで来ると、孝一が屋上に出れるドアに手を掛ける。
屋上に来るのは、実験で作った試験体を運んだとき以来だった。
『ダメだ、鍵かかってる』
孝一が言う。
ノブを捻るが回らない。
『ねえ、窓は?』
由樹が小窓を見ながら言う。
『よしっ』
秀人がうれしそうに言った。