流星群【短編集】

『あっ、流れた』

最初に見つけたのは由樹だった。

『えっ、どこ?』

『あっちの方からすーって』

『あっ、流れた!』

天高く指差す由樹の指先で、また一つ星が流れる。


見上げれば、あちこちに。
長く尾を引く流星が、瞬く間に闇夜に消えていく。


『すごーい』

みんな口々に歓喜の声をあげる。



星はいくつもいくつも、こぼれ落ちるように流れていた。




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