桜の樹の下で、微笑む君が見たくて
「別れる・・・!?」


俺はなんとなくわかった。


絢香が今までの恋愛で傷ついた心が、
トラウマが、まだ完全に
消えてないんだ・・・


絢香はまだ、苦しんでいるんだ・・・



「直哉には、私なんて合わないよ。
もっといい子がいるはずだよ。
私は自慢できるような恋愛は
してきてないし、人を傷つけたことも・・・
私は・・・私はね・・・」


絢香は自分の体を抱え込み
小さくなって泣いていた・・・



絢香、その背中にはどれほどの
痛みがあるんだ?

過去が見え隠れするその肩に
俺はそっと上着をかけた。











< 32 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop