実録 出会い系サイト!!『実話』
慣れた手つきでメニューを持ち出し、


「亜美は何飲む??俺はビールかなー。」


「えっと…。カシスオレンジにします。」


いつものアタシなら、一杯目はビールを頼むのだが…。


そんなコトを考えていると、飲み物がテーブルに運ばれた。


グラスを持った拓人が笑いながら、


「出逢えたコトに乾杯!」


と言って、グラスをカチンと合わせた。


アタシは小さな声で、


「乾杯!」


と言って、グラスに口を付けた。



゙メールでは素直に話せたのに、本人を目の前にしたら何から話せばいいのかわからない……。″



そう思いながら下を向いていると…、


「タバコ、吸ってもいい??」

「あっ。どうぞ。」


「亜美は吸わないの??」


「アタシは吸いません。」


答えるコトで精一杯。


すると、拓人はポケットからタバコを取り出し、一服すると、アタシに話しかけてきた。



「亜美??何で下向いてるの??」


「…………。拓人って、カッコイイよね…。緊張しちゃって…。」


少し照れながら答えると、拓人は、


「そんなコトないよ。亜美は俺の想像通り可愛い。おだんごヘアーも似合ってるし……(笑)」



゙おだんごって…。バカにされてるのかな…。



「アタシは可愛くないって…。」


また下を向いてしまった。


゙そんなに強い瞳で見つめないで…。″



゙やっぱサイトだから、騙されてるのかな…。″




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