手
深夜からボーリング大会は、5ゲーム投げ放題のハードなもので。
しっかり5ゲームとも全力投球したあたし達は、終わった頃には大疲労だった。
もう明け方。
お腹すいたー、なんて言い合いながら解散となる。
ヒロちゃんたちはヤスさんの車で帰り、
あたしはジュンさんに送ってもらうことになった。
「楽しかったなー」
ジュンさんが車に乗ってすぐに口を開く。
「お腹すきましたけどね」
あたしが笑いながら返すと、ジュンさんも笑いながら言う。
「ついでに言うと俺は疲れきった」
年ですねー、なんてまた冗談を言うあたしに、ジュンさんが軽く頭を叩く。
「あんまり変わんねーだろ?」
いつものやり取りに、笑い合うあたしたち。
そんな笑顔を見ながら、やっぱりジュンさんっていいななんて思ってしまう。
けど、すぐに埜乃ちゃんが浮かんできて気分が沈む。