手
「…休みの日って何してるんですか?」
あたしが問いかけると、ジュンさんは笑いながら答える。
「ほとんど寝て過ごすよ」
その問いに、やっぱり埜乃ちゃんが思い浮かんだ。
「埜乃ちゃんとは会わないんですか?」
突然のあたしの問いに、ジュンさんが一瞬戸惑う。
「この前、埜乃ちゃんから連絡来たんですよ?」
あたしが続けて言うと、ジュンさんの表情が変わる。
少し怒っているような、困った表情。
「……何て?」
聞いたことのないような少し冷たい声に、今度はあたしが少し戸惑う。
「……ジュンさんと連絡取れないって。連絡してないんですか?」
お節介かとも思ったけど、どうしても気になってしまって。
あたしは戸惑いながらも質問する。
ジュンさんは溜め息を付いて、ぽつりと呟く。
「もう、埜乃とは無理かも」