手
しばらくそのまま、残りの四人で飲みながらジュンさんの話題で盛り上がる。
皆いい感じに出来上がっていて、テンションが高い状態で話は膨らむ。
あたしももちろん、その話題に乗っかって盛り上がる。
けど心の中では少し沈んでいて、何だかとても心配だった。
あぁ、あたしジュンさんのこと好きなんだ。
そう改めて実感しながら。
埜乃ちゃんのことがあってか、今まで気持ちに蓋してた。
こんなタイミングで気付かなくてもいいのに。
これ以上、話に乗ることもうまくできない気がして。
あたしはチューハイとビールの缶を持って、逃げるようにジュンさんのいる部屋へと向かった。