手
「どんな人がタイプー?」
ジュンさんが何気なく聞いてくる。
あなたです、とは言えないし。
あたしは内心焦りながら何とか答えようとする。
「えっと……」
焦るあたしの顔を見ながら、ジュンさんがニヤけながら言った。
「てか顔赤くね?照れてるの?」
そう言いながら、あたしの肩をつつく。
指摘されたことで、さらに焦るあたしの頬は温度を増す。
「照れてないし!!」
必死に反論して、ジュンさんの手を払う。
ジュンさんは相変わらず笑顔で、あたしの様子を伺う。
「佳奈ちゃんって実は恥ずかしがりやなんだねー」
そう言って、あたしの頭を撫でる。
可愛いねー、なんてからかいながら。
あたしは必死に平常心を取り戻そうとする。
その後話題が逸れても、ジュンさんにからかわれたのは言うまでもない。