手
「さっきのジュンさん、何か変だったね」
ピークが落ち着いた頃、こっそりとヒロちゃんが言った。
確かに。
いつも何かとふざけた感じのジュンさん。
人の噂とかもちろん好きだし、すぐに人をからかうことに参戦して。
「けど本当に忙しかったし。やっぱりバイトの中じゃ長老だし」
あたしがそう言うと、ヒロちゃんはうーんと考え込む。
「てか、元カレさんいつの間に帰ったの!?」
ヒロちゃんがまた話題をそっちへと戻していく。
「さっき普通に帰ったよ」
あたしがそう言うと、ヒロちゃんは心底つまらなさそうな顔。
「えー?何しに来たの?」
それは、あたしが知りたい。
あたしは仕方なく苦笑いをした。