手
再び驚いて、固まってしまうあたし。
「俺実は、初対面から片想いしてるって知ってた?」
少し照れたように笑うジュンさん。
面接の時に初めて話したときから、そう付け足す。
「けど彼氏いるって聞いて即失恋」
また髪をくしゃっと掻いて、ジュンさんが言う。
「んで埜乃にほだされてしまって、そんな時に再会できて……再認識」
ふうっとまた息を吐いたジュンさんが、また真っ直ぐに見つめてくる。
「信じられないかなー?」
ぼそっと言うジュンさんに、思わずあたしは首を振る。