メロンパン
亜矢は基本的に
リーダー格であり、
バド部メンバーの中でも
やっぱり皆の中心にいた。
亜矢の次に
リーダー格の桃白 綾子は
1番最初に
あたしに話しかけてくれた子。
亜矢が部活が終わるのを
今日のように
教室で待っていた4月の初めに、
綾子はタオルを持って
あたししかいない教室に入って来た。
その時の第一声が、
「奈保りんやんっ!」
突然そう呼ばれ、
あたしは開いた口が
塞がらなかった。
今までに「奈保りん」なんて
呼ばれたことがなかったし、
初対面の人にいきなり
あだ名で呼ばれたこともなかった。
あたしにとって
綾子との出会いは
新鮮で特別なもの。
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