メロンパン

 亜矢は基本的に
 リーダー格であり、
 バド部メンバーの中でも
 やっぱり皆の中心にいた。


 亜矢の次に
 リーダー格の桃白 綾子は
 1番最初に
 あたしに話しかけてくれた子。

 亜矢が部活が終わるのを
 今日のように
 教室で待っていた4月の初めに、
 綾子はタオルを持って
 あたししかいない教室に入って来た。

 
 その時の第一声が、




「奈保りんやんっ!」




 突然そう呼ばれ、
 あたしは開いた口が
 塞がらなかった。


 今までに「奈保りん」なんて
 呼ばれたことがなかったし、
 初対面の人にいきなり
 あだ名で呼ばれたこともなかった。

 あたしにとって
 綾子との出会いは
 新鮮で特別なもの。




 _
< 12 / 16 >

この作品をシェア

pagetop