メロンパン

「うん。教室にいたよー」

「教室いて楽しい?うち無理だわー」

「いや、あたしも無理だから」

「じゃあいなきゃいーじゃんっ!」




 突っ込みを入れてきたのは、
 同じクラスの筒井 唯。

 
 漢検準2級、数検3級、
 英検準2級の資格を持つ、秀才。

 テストでも毎回、
 学年5位以内に入っている。

 クラス内ではずっとトップ。

 
 あたし達が通っているこの高校は、
 全国の平均的に中の上。

 良いわけでもないし、
 悪いわけでもないし、
 中間のところにある。

 
 唯の学力なら、
 もっと上のところに行けたが、
 わざわざ下に落としたらしい。

 頭の良いところに行って
 堅い人達とつるむより、
 少しゆるいところに行って、
 気が合う友達がほしかったんだと。




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