SKY~伸ばしたその手の先~
職員会議という名の顔合わせを終えて、
私たち新人三人は副校長先生に連れられ、
校長室へ入った。
二人とも恰幅のいい男性だ。

「桜庭先生と相原先生は三年生の副担任を。
伊藤先生は二年生の副担任を今年は受け持ってください。
担任の先生がいるから指導してもらって
なるべく早く慣れていってくださいね」

笑顔のようだが目が笑っていない校長先生だった。
コワイ・・・。
次に呼ばれた先生たちと挨拶を交わす。
私が受け持つ三年二組の担任の先生は
残念ながら男性だった。
三島一清先生、担当は日本史とのこと。
確率的に男ばっかりなんだから仕方ない。
年齢は三十台後半か四十台前半くらいかな。
ひょろっとやせた眼鏡先生だ。
私も眼鏡かけているから眼鏡コンビになってしまうね。

「よろしくお願いします」
と交互に頭を下げ、
私は三島先生に連れられ教室へと向かった。
偏差値が低いと聞いたけれど
どうか金髪だらけのクラスじゃありませんように
と祈るしかなかった。
不安だらけの私をちらりとみて
三島先生が笑ったような笑っていないような。
それを確認する余裕ももはや私にはなかった。

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