pain
16歳
夜は早くやってくる

僕は少し速度を上げて
自分の愛すべきマシンの速度を上げる

燃料が底をついてきたので
このマシンは一応休息状態となる。

次のガソリンスタンドまで押さなきゃ…


空軍基地のあるこの街
空はパープルで
落日の黄金色の雲に虹がかかっている


こんな見事な空は早々簡単にはめぐり合えないだろう





僕は自分で孤独にひしがれていた
とても寒く

明日があるとはとても考えられなかった

自分に手を差し伸べてくれる人なんてどこにも居やしない

たとえ居たとしても
僕はそんな好意を素直に受けれず
牙をむいてしまうだろう


学校はもう行く気が無い
二週間前 父のクレジットカードを盗んで家を出た
とてもとても素敵な愛車と共に旅に出た
ライダーを自称する僕は
二輪にまたがって雨露をもろともせず
北へ向かった。


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