†Orion†


“そうなのかな”という彼女に対する気持ちは、日ごとに増していって。


“好きなんだ”と、自分の気持ちが確定したとき、俺は現実を知ることとなったんだ。




着替えを終えて事務所に行くと、杉浦さんが来月のシフトの公休希望をメモに書き記していた。


タイムカードを押しながら、メモの内容をちらりと見る。




【6/23 保護者会のため休ませてください】



――世の中、そう上手く事は運ばない。



彼女は既婚者で、保育園に通う五歳と二歳の子供がいたんだ。


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