†Orion†
その好意を無駄にして、やっぱり暴走してしまう俺は、いずれ大きな罰を受けるかもしれない。
――でも……
これが、最後だから。
ほんとうに最後にするから。
どうか、許してください――……
「……優菜さんっ」
俺が優菜さんに声をかけたのは、彼女が横断歩道を完全に渡り終えて、雑居ビルの角を曲がったところだった。
暴走してしまっても、俺なりに気を遣っている。
ガラス張りの店から見えないところで、優菜さんに声をかけた。
「雅人くん……、どうしたの?」
振り返った優菜さんは、ひどく驚いた顔で俺を見た。