†Orion†
「さくらー?」
料理をテーブルに並べていた優菜さんが、さくらちゃんの泣き声を聞いてやって来た。
「……マー……、マーマー……」
泣きながら、優菜さんを求めるさくらちゃん。
「さくらがわるいんだよ。おにいちゃんはわるいことしてないよ!」
最初は、あんなに俺を拒絶していた奈緒ちゃん。
今はすっかり俺の側にいて、弱者を守るヒーローのようにかっこよく俺をかばっている。
「さくらー? ないないしようねぇ。ごはんできたからねー?」
優菜さんは、どっちが悪いとか、そんなことには耳を貸さず、さくらちゃんを優しく抱き上げる。