†Orion†


リビングでは、奈緒ちゃんとさくらちゃんが、二人仲良く肩を並べてアニメ番組を見ている。



「じゃあ、お言葉に甘えて……」



再び腰を下ろした、ダイニングテーブルのイス。

旦那さんのことが気がかりで、落ち着いてコーヒーを飲むこともできない。


勧められたコーヒーをひとくち飲んだあと。

玄関のカギが、ガチャリと開く音がした。



「あっ、パパだぁー!!」



玄関のドアが開く音と、奈緒ちゃんの興奮した声。

俺の心臓がドクドクと波打ち始める。



「優菜さん、俺、ここにいたら……」



ヤバイだろ?

咄嗟に立ち上がり、バッグに手をかけた俺。


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