†Orion†


普通の卵焼きと違って。

彼女の作る卵焼きには、ほうれん草と人参、チーズが入っていた。


……うまい。


夢中になって、もらった卵焼き二切れを食べ終えた直後。

ふと顔をあげると、食べる手を休めて俺に見入っている杉浦さんと目が合った。



「……な、なんですか?」



こんな至近距離で、しかも、じぃっと見つめられると、理性を失いそうになる。



「斉藤くん、究極にお腹がすいてた?」


「えっ?」


「すごい勢いで食べていたから」



そんなにがっついていたのか、俺。


指摘されて急に恥ずかしくなる。



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