†Orion†
「優菜さんが……心配していたよ」
ノートにいたずら書きをしていたペンが、ふと止まる。
「もう少し肩の力を抜くべきだって。突っ走っていたら、いつかボロボロになるって」
突っ走って、ボロボロになる……?
そんなの、優菜さんとのことで経験済みだよ。
一度経験したから、さすがに分かっているよ。
時には休息も必要だってことぐらい。
でも今は、その休息の場が俺には見つけられないだけ。
「優菜さんと何かあった?」
「……何もねぇよ」
「相談にのるよ?」