†Orion†


「………っ……」



瞳からこぼれそうになる涙を、寸でのところで拭う。


浩平さんを待たせているんだった――……

俺にとって、ひどく羨ましいポジションにいる彼を――……



立ち上がって、大きく息を吸い込み、吐き出す。

それを何度か繰り返して、自分を落ち着かせる。



そして俺は、浩平さんが待つ、店の入り口へと向かった。





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