†Orion†
毎日のように優菜さんを思い。
顔を合わせても、平常心を保って、距離を置く。
心が折れてしまいそうなほどに、彼女を求めているのに――……
「奈緒と、さくらか……」
「二人のためにも、前の彼女のことは断ち切ってください」
俺だって、そうしたんだから。
俺よりも大人で、しかも子供まで授かっている浩平さんにできないはずがない。
浩平さんは少し考えるような顔つきで黙り込んだ。
俺は店員に生ビールを注文し、運ばれてきたそれを飲みながら答えを待つ。
「……そうだな」
冷たい生ビールを半分ほど飲んだところで、浩平さんがようやく口を開いた。