†Orion†
顔なじみのメンバーと働けることは、精神的にもラクだ。
それに……
優菜さんに会える。
たった二ヶ月だったけれど、まるで何年も会っていないような錯覚に陥る。
もとの店での勤務再開の前日。
その日は公休で特に予定もなかったから、目覚まし時計は全部オフにして昼過ぎまで寝ていた。
「……んん……っ……」
ぐっすり眠っていた俺を起こしたのは、自然な覚醒でもなく、じめじめとした蒸し暑い部屋の空気。
眠りが浅くなったときに寝苦しさを感じ始め、目を覚ますと、からだじゅうにじわりと汗をかいていた。