†Orion†


「俺を好きなまま、“母親”でいればいいだろ?」


「雅人くん……?」



――なんて、浅はかなんだろう。


優菜さんと離れたくないという思いは、俺の未来さえも変えてしまう。

だけど俺は、それに対して何の躊躇さえもない。


できる。

やってみせる。

大丈夫。



肩で大きく呼吸したあと、俺はその決心を口にした。




「……きっと俺は、浩平さん以上に良い父親になれると思う」





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