†Orion†
「分かったよ」
わざとらしく口を尖らせて言うと、俺は自分の部屋へと向かった。
部屋に入ると、ベッドに覆いかぶさるようにして倒れこんだ。
優菜との結婚。
すんなりとOKが出ることはないって分かっていた。
バツイチ、二人の子持ち。
反対される要素ばかりだ。
もしも、旦那が他の女のところにいった、なんて知れたら……。
さらに、離婚してそう月日が経っていないことも知ったら……。
ますます反対されるに違いない。
両親が首を縦に振るのは、かなり時間がかかりそうだ。
もしかしたら、賛成するどころか、優菜以外の結婚相手を見つけてくるかもしれない。