†Orion†

*子供心*



「エアロスミスのCDはあったかー?」



夕食を終えた兄貴がヘラヘラしながら、ノックもせずに部屋に入ってきた。



「……あるわけないだろ。借りてないんだから」


「まぁ怒るなって。助け舟出したんだぞ、俺は。礼のひとつぐらい……」


「ありがとうございます」



やれやれ、と言いながら、兄貴は床に胡坐をかいて座る。

そして持参してきた灰皿を床に置くと、タバコに火を点けた。



「おまえ、結婚するのか?」


「……あぁ」


「すっげー反対されてたじゃん」



タバコの煙を吐き出しながら、兄貴は楽しそうに言う。


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