†Orion†
「やっぱりダメか」
「いや、子供のほうがなぁ……。子供の心って繊細だから、おまえがそれをどれだけカバーできるか、だろ?」
「……うん」
奈緒ちゃんとさくらちゃん。
まだ一度しか会ったことがない二人は、再び現れた俺を見てどう思うのかな。
きっと最初は、“一緒に遊んでくれるお兄ちゃん”として、打ち解けてくれるかもしれない。
でも、その“お兄ちゃん”が、“新しい父親”になろうとしていると知ったら……。
すんなりと受け入れてくれるんだろうか。
二人にとってのお父さんは、別れた今でも浩平さんただ一人だ。
もしかしたら、手のひらを返したように俺のことを拒絶してしまうかもしれない。