†Orion†


少し肌寒い初秋の朝方。

優菜の実家を目指して、高速道路を走る。



インターチェンジを降りてすぐのところに交差点。

その交差点の角にあるファミレスの駐車場で、優菜たちと落ち合うことになっていた。




「……雅人!」



駐車場に先に来ていたのは優菜たちだった。

久しぶりに顔を合わせる優菜を見て、思わず抱きしめそうになる。


反射的に上がった俺の腕を止めたのは、四つの小さな目。



「あ……、奈緒ちゃんとさくらちゃん。久しぶりだね。……って、覚えてる?」


「うん! 雅人お兄ちゃん!」



奈緒ちゃんはにこりと笑って俺を指さした。

さくらちゃんは、恥ずかしそうに奈緒ちゃんの後ろでもじもじしている。


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