†Orion†
日曜日の遊園地は、家族連れの姿が目立った。
小さな子供を肩車して歩く父親の姿。
時折、奈緒ちゃんがその姿にじいっと見入っているのに気づいた。
「奈緒ちゃん、おいで」
「……えっ?」
「肩車」
膝を折って座る俺に、奈緒ちゃんは顔を真っ赤にさせる。
「い、いいよ。奈緒、もう小学生だもん! さくらにしてあげて!」
言って、奈緒ちゃんは優菜と手を繋いでいたさくらちゃんを、俺の前に突き出す。
「……おいで、さくらちゃん」
「うんっ!」