†Orion†
*未来の娘*
仕事が終わるまでのあいだ、奈緒ちゃんには店の中で待ってもらった。
「やっぱり知り合いだったんですか?」
六時ちょうどに仕事を切り上げ、更衣室で着替えたあと、増田が顔を緩ませながら訊いてくる。
「あぁ。友達の娘さんだよ」
「へぇ。結構かわいい子でしたよねー。大きくなったら美人になりそう」
さらに顔を緩ませた増田の頭を一発殴る。
「ばーっか。今でもじゅうぶん美人なんだよ、あの子は!」
……増田に対して、警戒心むき出しになったのは言うまでもない。