†Orion†
“おまえに守れるのか――……?”
なぁ、親父。見てるか?
ちゃんと、守ったよ。
俺の身体は、頭で考えるよりも早く、さくらちゃんのもとに行ったんだ。
自分のことなんか、どうでもいい。
さくらちゃんのほうが大切なんだって。
――ピー……ッ……
「……先生! 心肺停止しました」
俺はまだ、“父親”という資格を完全に得ていない。
だけど、それでも、奈緒ちゃんとさくらちゃんのことは大切に思っている。