†Orion†
「へぇ。優しい旦那さんですね」
俺が褒めると、優菜さんは自分のことのように嬉しそうに笑った。
その笑顔に、胸がズキズキとうずいた。
「ほんと、楽しみだよねー。みんなで泊りがけでどこかに行くって、もしかしたら最初で最後になるんじゃない?」
「そうかも……。料理長に感謝、ですね」
キャンプの企画を聞いたとき。
子供みたいな人だと、ほんの少し呆れたけれど。
優菜さんと朝まで一緒に過ごせるなんて……。
考え方を変えてみれば、弘美と同じように、料理長に感謝してしまう。