†Orion†
キャンプまでの日々を、指折り数えて待つ。
気の早い俺はキャンプの企画を知ったその日の夜に、早々と荷物をまとめてしまった。
キャンプだからって。
俺と優菜さんの関係が変わるわけじゃない。
ずっとずっと、バイト仲間としての関係が続いていくだけだ。
――そして、キャンプ当日。
俺はアパートまで迎えに来た弘美とともに、キャンプ場へと向かう。
「……理性を失っちゃ、ダメよ」
現地に向かうバスのなかで、弘美はそう忠告した。
バスに揺られながら、俺は鼻で笑う。
「サルじゃあるまいし」