†Orion†
でも、女が引いてしまうほどの貧弱な体つきじゃなくて良かったと思った。
優菜さんに見せるわけじゃないけど、本格的に筋トレでもしてみようか。
――そんなバカなことを、本気で考えてしまった。
みんなのもとに行った俺と弘美。
しばらくは男女に分かれて遊んでいたけれど、その距離は次第に縮まり、気づけば一緒になっていた。
店長と料理長は大きな浮き輪に抱かれ、海の上をただプカプカと浮いているだけだ。
「雅人くん、ビーチバレーするってー」
砂浜で仰向けになってぼんやりしていると、優菜さんが大はしゃぎしながらやって来た。
優菜さんの肩越しに見える太陽が、あまりにも眩しくて目を細める。
「……や、俺はパスします」
バレーって苦手なんだよな。