†Orion†
俺たちの他にもキャンプ客はいて、どこも盛り上がっている。
ジーンズの尻ポケットに入れた携帯電話を取り出し、時間を見ると、もうすぐ十時になろうとしていた。
まだまだ宴会は続きそうだ。
「はぁ……」
溜息をつき、ふと、夜空を眺める。
今夜は晴天。
雲ひとつない夜空には、星が光り輝いていた。
こんなにたくさんの星を見たのは、何年ぶりだろう。
普段は街の灯りに邪魔されて、数える程度の星しか見られない。
「お、すげぇ……」
いちばん分かりやすい星座、北斗七星がはっきりと見え、妙に感動してしまう。